—2021年4月号のカバー以来3年ぶりの撮影でしたが、感想は?
そんなに経ってたんだ! 3年ぶりっていう感じがしないです! 前回はお花をたくさん使ったガーリーな撮影だったのですが、今回はちょっとパンク寄り。シンディ・ローパーをテーマにした撮影だったので、前回と雰囲気が全然違っていてすごく面白かったです。
—カエラさんは連載『おしえて好きなひと』の記念すべき初ゲストでもありますが、声がかかった当時の心境を教えてください。
よしえちゃんにはいつも良くしていただいているから、「私のこと好きなのかな?」って思いました(笑)。
〈板橋: そのとおり!〉
やっぱりずっと一緒にいますし、繋がっているなって感じています。よしえちゃんはいつも私にとって大切な節目のタイミングにいつも声をかけてくれるんです。それがすごく嬉しい! ちゃんと意識してくれてるんだって伝わるから、そういうところが優しいなと感じています。
—今回のコーデについて感想を聞かせてください。
SCENE 01
このカットはまさに90sのパンクっていう感じ! 周りの人達が普通に生活しているのに、自分だけ全然世界観が違うっていう雰囲気を出したい、と臨んでいたんです。それでこのカットを見た瞬間、「来た!」って(笑)。目指したものがちゃんと出せました。色違いのスカートを3枚レイヤードしていて、このテーマを象徴するコーデでもあるし、チェック柄の上下を合わせるっていうところがすごく好きでお気に入りです。
SCENE 02
このカットはキャンディのお店の前で撮れるということで最高に楽しかった! 今回原宿で撮りたいという話が出たのも、自分自身の20周年という節目もあって、今もこうやってご一緒させていただけることにとても感謝しているので、「原点に戻る」っていうキーワードが自分の中になんとなくテーマとしてあって。キャンディらしいキャンディのお洋服を着て、それをお店の前で撮れたということが、私の中でとても嬉しい体験でしたね。
SCENE 03
これまでのコーデもそうですが、とにかく私は赤が好きなんですよね。赤って女性のパワーを象徴してくれるカラー。真っ赤なジャージのワンピースは、動きやすいし、でもちゃんとおしゃれだし、本当に大好き。黒のエコレザーのセーラージャケットを羽織ったり、可愛さと強さをMIXしたアレンジも可愛くて大好きです。
SCENE 04
このコーデはキルトのワンピースがすっごく可愛い! 普通ならこのワンピースにMA-1を合わせたりはしないのかなと思うのですが、「とにかく楽しめばいいや!」って全身で表現しているみたいで、それがすごくいい。それぞれのアイテムがお互いの魅力を引き出しているところもいいですよね。
SCENE 05
プリーツのスカートにボトムをレイヤードしたところがポイント。最近こういう組み合わせをよく見かけるけど、個人的にすごく好きです。もともとパンツが好きっていうこともあってスカートには抵抗があったのですが、組み合わせることで取り入れやすくなるし、すごく好きなコーデです。シンディやマドンナが90s当時によく腰につけていたアクセサリーを再現しているところもお気に入り。
—長年ファッションアイコンであり続けているカエラさんですが、ファッションに対するポリシーはありますか?
基本的に着たいものを着ています。でも、洋服も作品もそうですが、いかに引き算をするかを大切にしています。派手だけど引き算をしている。どのくらい減らして、インパクトのあるものを残すか……、できるだけ「自分で立っている」というイメージを大切にするようにしています。
—2024年6月23日にデビュー20周年を迎えたカエラさんですが、20年間続けてきた原動力やモチベーションは?
私は本当に歌が好きなだけです。歌うことが私の生きがいであり、精神安定剤。それが当たり前というか、一番好きなことなので。好きだからこそ嫌いになることもたくさんあって。それは辛いんですけどそれも一生懸命だからこそなんですよね。結局好きだからこそ、そうなっている。気づいたらこうやって20年続けられています。正直、20年経っているなんて思わなくて、本当にあっという間でした。でも、これまで周りのアーティストの方々が20周年を迎えていくのを見て「すごいなぁ」って思っていて。それで「そっか、自分もそうなったのか」って。本当にありがたいことだと思います。
—歌を中心に、これまでいろいろなことにチャレンジされてきたカエラさんですが、どうやって自分の殻を破り続けてきたんでしょうか?
私は、いつも同じ自分でいたくないんです。もちろん同じ自分ではあるのですが、いろんな自分を見てみたいと思っています。どんな色に染まっても、そこに自分の心があって、いろんな自分になっていく。その感覚がすごく好きなんです。どこにいても自分であり続ける強さに憧れます。
挑戦に限らず、苦手な環境や人、いろんな状況があると思うのですが、それでも常に自分でいたい。敢えて周りの環境を変えて自分であり続ける訓練をしている感覚があります。何を着ても、何をしても、私になったときに、「よしっ!」みたいな。自分さえブレずにいられれば、人生はいつも楽しくいられると思っています。
—最後に、20周年イヤーはどんな年にしたいですか?
“感謝の年”にしたいです。最初に少し触れたんですが、こういう大事な節目に声をかけてもらったり、関わってくれたり、今まで助けてくれた人たちがいるからこそ面白いことができて、“木村カエラ”を表現することができたんです。その人たちがいなければ今がないので、そういう人たちに感謝の気持ちをたくさん返していきたい。そのために死にものぐるいで動くというのが今年の目標ですね。もちろん自分に対しての感謝の気持ちもあるので、すべての感謝が詰まった年にしていけるといいなと思っています。