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Candy Stripper デザイナー 板橋よしえのおしえて好きなひと 第二回 二階堂ふみ

板橋よしえのおしえて好きなひと 板橋よしえ二階堂ふみ

「自分の中の優先順位が変わりました。
  もっとちゃんと知らなきゃいけないなって」(二階堂)

——まずはおふたりの出会いから聞かせてもらえますか? 板橋 場所は本屋さんだったよね、渋谷の。
二階堂 そうでしたね。知り合いとばったり会って、そこによしえさんも一緒にいらっしゃって。
板橋 ふみちゃんは制服を着てたでしょう?
二階堂 あれ、制服じゃなかったんですよ。
板橋 じゃなかったっけ?
二階堂 たぶん普通の私服。チェックのトレーナーを着てた日です。雪の日で。
板橋 そうかー。制服の印象だったなあ。なんでだろう?(笑)
二階堂 それくらい子供だったからだと思います(笑)。
板橋 あはははは。その時に「こちらがふみちゃんです」って紹介してもらって。うれしかったです。 ——その後、とても仲良しになるわけですけど、どういった経緯で? 板橋 次に会ったのが三茶だよね。
二階堂 『不道徳教室』っていう私の舞台を観に、よしえさんが世田谷パブリックシアターへ来てくださったんです。
板橋 もちろんふみちゃんのことは知ってたけど、作品をちゃんと観たことはその時まだなくて。舞台を観たら本当に驚きました。すごい女優さんだなって。それから内面も知るようになって、もっと作品を観てみたいなと思って、たくさん観るようになったんです。
二階堂 その舞台の後に連絡先を交換して、共通の友達と一緒にご飯を食べにいったんです。それから仲良くなっていって。
板橋 ふみちゃんが天使の羽のリュックを背負ってたの、よく覚えてる。
二階堂 まだ派手好きだった時です(笑)。
板橋 あれ、衝撃的だった(笑)。でもふみちゃんと会うたびにびっくりするのは、話す内容がつねづね進化していくんだよね。発想力も豊かで、いつも話していて興味深いなって。芯の部分は変わらないけど、興味の対象がどんどん広がっていって、進化していくイメージ。

二階堂 最近はちょっと変わってきたかもしれないです。いろんなことに興味はあるけど、前へ進むっていうより、今はここがいちばんっていうところにスポッと落ち着いた感じで。
板橋 なんでそこに落ち着いたの?
二階堂 犬を飼うようになって、動物と触れ合う生活になってから、自然が前より身近なものになっていって、目に見えないものの偉大さみたいなものを感じるようになったんです。それで自分は思っていた以上に無知だったんだなって。そこから自分の中の優先順位が変わりました。ひとつひとつのことをもっとちゃんと知らなきゃいけないなと思って。

板橋よしえ二階堂ふみ

——犬を飼ってから朝型の生活になったんですよね? 夜遊びが減って。 二階堂 そうです(笑)。
板橋 ほかには? どんな優先順位が変わったの?
二階堂 前は自分が満たされればよかったけど、例えば自分の選択で何かが犠牲になってるんじゃないかとか、そういうことを真剣に考えるようになって、物事のとらえ方が変わりました。「自分」を主語にしないで、世の中のいろんなことを考えることが増えていって。
板橋 進化っていうより、いろいろと深めていく時期なのかもね。
二階堂 そうなのかもしれないです。
板橋 ふみちゃんがこの先どこへ向かうのか、すごく楽しみ。どこまで行っちゃうんだろうって(笑)。