Candy Stripper デザイナー板橋よしえ連載「おしえて好きなひと」 第17回 emma(2ページ目)
「emmaは飛び抜けて可愛いだけじゃなく、
変幻自在でいろんな顔を持ってる」(板橋)
——最近、emmaさんを知ったという方は、ストリートや原宿系のファッションよりも、モードなイメージが強い人も多いかもしれません。今、振り返ってみて、emmaさんが当時、そこまでキャンディに惹かれたのはどうしてだと思います。
emma 私、ほんとに田舎者なんですよ。北海道のコンビニもないようなところで生まれ育って。初めて自分の目でキャンディを見たときに……なんていうんだろうな、本当に衝撃的だったんですよね。当時、なんとも言えない気持ちになって、お店に普通に2時間くらいいたんですよ(笑)。店員さんに、なんだこいつ? って思われてたかもしれないけど。
板橋 いやいや、そんなこと思わないよ!
emma 欲しいけど、買えない、うーんって、長い時間かけてやってましたね(笑)。そのためにバイトも始めて。言葉ではうまく言えないんですけど、お店に行って、洋服を見て、テンションが上がる。あの気持ちは今でも覚えてます。私はそこからファッションにより強い興味を持つようになった。服を好きになった自分のルーツになってるんですよね。
板橋 今、emmaちゃんは、自分の好きなものを自分らしく着こなす確固たるスタイルがあると思うんだけど、その中にたまにキャンディもお邪魔させてもらえてて。emmaちゃんの今のスタイルにミックスさせてもらえるのがすごく嬉しいなって思う。
emma 何歳になっても着れると思うんですよね。当時はめっちゃ子供だったし、見た目もすごい派手にしてて。髪の毛を真っ赤にしてた時のスタイルにもキャンディはハマるけど、大人っぽいモードな感じにもハマるなって思ってて。最近も豹柄のニットやパーカをよく着てたし、この前はデニムのオーバーオールをゲットして。この夏はキャミ1枚で着ようかなとか考えてて。何歳になっても、いろんな合わせができるのが強みだなと思いますね。
板橋 抜群のセンスを持つemmaにそう言ってもらえるなんて、嬉しいな。
emma いやいやいや。あと、私的には思い出もあるから。当時に戻れる気持ちもある。あの時のわくわく感。自分が可愛くなりたいとか、もっとお洒落になりたいとか、自分を磨きたいって思った高校生の頃のファッションへの熱い想いが戻ってくる感じがしますね。
——よしえさんは、なぜemmaさんにカタログのモデルをお願いしたんですか。
板橋 飛び抜けて可愛いかったからです! 可愛いだけじゃなく、意志の強さが顔に現れていて。しかも、いろんな顔を持っているんですよね。アンニュイな顔やクールな顔、ファニーな顔と変現自在の表現力が凄いんです。
emma 照れますね〜。
板橋 ふふふ。キャンディはいろいろな世界観のお洋服で構成されているのだけど、その全部を着こなせるモデルさんはなかなかいなくて。emmaはキャンディのいろんな世界観を着こなしてくれる貴重な存在だよ。
emma いろんなことをやりましたよね。
板橋 やったねえー! 毎シーズン、撮影が楽しみだったなあ。今回、どんなふうに着こなしてくれるのかなって。想像以上のものにしてくれるから、いつもワクワクしながら見てたよ。
emma ああ、嬉しいです。
板橋 あとね、ロケバスにemmaがいるだけで場が華やぐんだよね。いつも笑顔で、ハッピーな雰囲気を身に纏ったemmaは、みんなの気持ちを明るくして元気を与えてくれる人だなって、いつも思ってて。emmaがいるだけでみんなが楽しい気持ちになるの。
emma 照れるな〜。恥ずかしい。本当にいろんなところに行きましたよね。遊園地に行ったりとか、プールサイドで撮影したりとか。ウィッグをつけたこともあった。メイクさんやカメラマンさんが毎回、変わっていたから、毎回、本当にテイストが違ってて。それがすごく面白かったし、いろんな自分になれたのが嬉しかったですね。何より、私の中でルーツになっているブランドだったから、毎回、とにかく感慨深かったですね。