Candy Stripper デザイナー板橋よしえ連載「おしえて好きなひと」 第21回 PUNK CAKE(2ページ目)
「mikkiがいくつになってもmikkiであることが、
洋服は年齢に縛られないと言う証明になる」(kinji)
板橋 二人はいつ会っても華やかで、遠くから歩いていてもすぐにわかるんだけど、いつでもどんなときも、服を自分の物にしている素敵な着こなしで。キャンディのお客さんの中には「もう着れない」っていうお客様がたまにいて。でも、「ブラックコレクション」や、大人キャンディのラインを作ったり、新しいキャンディの見せ方を提示したことで、新しいお客様が増えたり、以前のお客様がまた戻ってきてくれて。それがすごく嬉しかったのね。大事にしている芯は変わらずも、どんどん新しい見せ方をしていくことで、こういうのだったら着れるって思ってくれたらいい。全身じゃなくても、1つでも取り入れてくれたら嬉しいなっていう気持ち。「もう着れない」っていう言葉がすごく悲しくて。
kinji わかります。
板橋 いくつになっても、自分次第で、服って楽しめると思うんだよね。二人はそれを体現してくれてるでしょ。ファッションって楽しい! って思わせてくれる二人がいるから、会うたびに勇気になるし、力になる。「mikkiちゃんみたいに華やかで可愛い服を着たいけど着れないわ」って言われることはある?
mikki よく言われますね。
kinji 体現っていう言葉を借りれば、mikkiがいくつになってもmikkiであれば、その証明になるんじゃないかなと思ってて。僕がコントロールできる問題ではないですけど、ずっとこういう感じだったらいいなっていう願望がありますね。うちの店からは、mikkiを通して、年齢を縛ってないことを発信できたらいいなと思いますね。
mikki 私は、PUNKCAKEに来たら派手でも大丈夫っていう、そういう場所でありたいなと思います。そのためには、私たちが変わらないことが大事ですよね。今の原宿は、昔よりもちょっと元気がなくて。派手なという枠組みは雑すぎるけど、ファッションを楽しんでる人が減っているので、なかなか着る勇気がいるかもしれないですけど。
kinji うちも派手なものしかないっていうイメージがあるんですけど、真っ黒のロングのスカートもあったりしますからね。1個でも取り入れて欲しいなっていう感覚はありますけどね。
板橋 合わせ方次第だよね。たまに「いつまで着ていいんですか?」って言われることがあるのだけど「いつまででもいいんだよ!」って大声で言いたい。
kinji あはははは。うちは衣装みたいな服が多いので、「これ、いつ着よう」って言われますね。「いや、毎日、着たらいいと思います」って言うんですよ。だって、実際に毎日、パーティーみたいなドレスを着てる人がここにいますからね(笑)。ちょっとした勇気を持って、日々を華やかにしてくれたらいいなと思いますね。
mikki よしえさんは、好きなものは変わらないけど、常に新しいものを生み出していってますよね。変わらないけど変わり続けてる。言葉で言うと矛盾してるけど、両方並行していられているので、ほんとに素晴らしいなといつも思ってます。
板橋 ありがとう。本当に続けるって大変だよね。
kinji 時代は常に変化してますからね。変化していかないといけないんだけど、変化しない部分を持っていることがもっと大事になってくる。そのバランスが難しいんですよね。時代に置いていかれたら、古びて誰も来なくなってしまうし、変化しすぎると、コロコロ変えているお店になっちゃうし。それが難しいのかなと思いますね。
板橋 ほんとにアパレルは波がすごいから。いい時もあれば、悪い時もあるんだけど、いい時は何が良かったのか、悪いときはなにが悪かったのかをちゃんと分析して、常に客観的に物作りに向き合うことが大事なのかなと思っていて。いつも反省して挑戦して、というのを繰り返してる。でも、PUNKCAKEは、古着屋さんっていうカテゴリーに収まらずに、いろんなアイデアを凝らしてるよね。常に好きな人と、いろんなことをやっていこうって動いているイメージがあるし、コロナで大変だけど、じっとしてないでやっていこうっていう姿勢も伝わってきてて。今、いろんなところにツアーに行ったりしてるでしょ。全国に仲間がいるのもすごいし、それを企画して実際に動くのも、コンスタントにやってるのがすごいなって思ってるんだよね。
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