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Candy Stripper デザイナー板橋よしえ連載「おしえて好きなひと」 第21回 PUNK CAKE(3ページ目)

「全国各地でのポップアップを通して、お客さんの中で
お洋服とアートが繋がることも嬉しい」(mikki)

 
板橋よしえ PUNK CAKE


板橋 全国でポップアップストアをやろうと思ったのはどうしてだったの?
kinji 一番初めは、ただ、刺激が欲しいっていうのがきっかけだったんですね。毎回、一緒に行くイラストレーターがいるんですけど、その人がいろんなところで展示をしていたんですよ。インスタを見ていると、とにかく楽しそうだなって感じて。僕もイラストレーターだったら良かったなって思ったんですけど(笑)、じゃあ、自分たちが行ったらいいんだって思って、イラストレーターさんの展示会と合同のポップアップストアイベントを企画して。今は年に2〜3回は行ってるんですけど、原宿とはまた違う刺激があって、それがもう楽しくて。
mikki 全ての瞬間が印象深いですね。
kinji イベントなので、お祭りみたいな高揚感があるっていうのはもちろん、その場で生まれる繋がりもあって。ずっとオンラインでしか知らなかったお客さんと初めて面と向かって会える喜びがあるし、原宿以外でもお客さんと繋がれることが嬉しいですね。
mikki イラストレーターさんと一緒に動くので、うちを介してイラストレーターさんを知ってくださるお客様もいれば、逆にイラストレーターさんの展示を見にきたことで、うちのお洋服を知ってくださる方もいて。私たちのポップアップを通して、お客さんの中でお洋服とアートも繋がってくださるのもすごく嬉しいですね。

板橋よしえ PUNK CAKE


板橋 他にやってるところないよね。あと、PUNKCAKEはコロナ前は海外のお客様も多かったよね。mikkiちゃんがモデルをやってる「microwave」もその繋がり?
mikki micorwaveのデザイナーが前のお店にいた時のお客様だったんですよ。香港から日本に古着の買い付けに来ていて。たくさん買っていく外国のお客様がいるなと思ってて。そのあと、前のお店を辞めて、PUNKCAKEで働き始めたら、たまたまデザイナーの一人が、PUNKCAKEに入ってきて。「え? あれ?」ってなって。「僕たち、ブランドやってるんだ」って話しかけてくれて。
kinji カタログを見させてもらったらすごく可愛くかったんですよ。そこからうちでも取り扱うようになって。mikkiにmicrowaveの服を着させると、どれを着ても似合うんですよね。仲良くなったデザイナーに「どれも似合うね」って言ったら、「当たり前だよ。僕のインスピレーションはmikkiから来てるんだから」って言われて。えー、そうなの? って驚いて。
板橋 方々でミューズっぶりを発揮してるね。
mikki microwaveの二人は日本の原宿カルチャーが好きで、キャンディストリッパーも大好きなんですよ。私たちが交流があることを話したら、すごくびっくりしてました。

「年齢や職業関係なく、周りに尊敬できる人がすごく多い。
いろんな人に助けてもらってるなと思います」(板橋)


板橋 嬉しいな。PUNKCAKEには、そうやって、デザイナーさんやイラストレーターさんを呼び込む力があるよね。新しいアーティストとはどうやって出会ってるの?
kinji 一人一人違うんですけど、僕がアートが好きなので、東京に来てからよく展示会に行っててて。あとは、友達に紹介してもらったりとか。
板橋 とんだ林蘭ちゃんも、kinjiさんに紹介してもらって、キャンディでコラボさせてもらって。
kinji 蘭姉ちゃんは展示会に在廊日があるって言うのを知らなくて、2回くらい行っても会えなくて。3回目、台風の日に会いに行って、「すごく好きです」って伝えたら、「……おお、ありがとうございます」って。初めは圧が強すぎてびっくりしたと思います。

板橋よしえ PUNK CAKE


mikki kinjiさんは好きな人に対するまっすぐな思いを直接、相手に伝えるんですよ。イラストレーターさんやアーティストさんは、きっと、この気持ちは本物だって思って受け止めてくださるので、深く長く繋がっていけてるのかなって思います。最初はまっすぐすぎてびっくりしてると思う。
板橋 イラストレーターのヤナギダマサミさんは?
kinji 手作りのアクセサリーを取り扱ってる友達の紹介ですね。そのアクセサリーはもちろん可愛いし、うちでも販売してたんですけど、その台紙のイラストが可愛かったんですよ。「この台紙のイラストレーターさんを紹介して」ってお願いして。そういうのが多いかもしれない。見たときにドキドキする、みたいな。ほんと一目惚れみたいな。イシバシアキちゃんもそうだもんね。
mikki 結構、直感を大事にしますね。そして、すぐに動きます。「ドキドキするから連絡してみる」とか、「今から展示会に行ってくる!」とか。
kinji 竹井千佳さんの展覧会も、たまたま渋谷でやってるのを知って、すぐに行って、仲良くなったりして。好きな人にはすぐに好きって素直に言えるんですよね。恋愛は別ですけど(笑)。
mikki よしえさんも交流関係が幅広いし、コラボもたくさんされてて。人とのつながりをすごく大事にされてますよね。私たちにもよくしてくださってるし。
板橋 ブランドを長く続けさせてもらえている理由は、人に感謝をすること、人を大切にすることだと思う。それに、私は自分よりも尊敬できる人が多いから、年齢や職業に関係なく、周りの人に対してリスペクトの気持ちが強いんだよね。ほんとにみんなに助けてもらって生きながらえてきたような感じだし、いつも助けてもらえて、ありがとうございますって思ってる。周りの人しかり、お客様しかり。それに尽きますね。
kinji 僕らも同じです。その感覚はわかりますし、よしえさんは僕らに対してもいつも変わらずに接してくれて。ほんとにそのスタンスが何年もブレないから人間的に尊敬してます。あとは、もっと話したいですね。
mikki よしえさんはほんとに出会った時から変わらないですよね。いつ会っても、明るい気持ちになるし、元気をもらうし。私なんかが言うのもおかしいですけど、人として素晴らしいかただなって尊敬してますし、私ももっとよしえさんのこと知りたいなって思ってます。
板橋 そうだよね。ほんとしょっちゅう道端では会ってるけど。
kinji 立ち話も楽しいんですけど、ほんとはもっと話したいし、もっと仲良くなりたいと思ってます。なかなか誘えないんですけど、今度、「今日、ちょっとご飯どうですか?」って誘ってみようと思ってます。
板橋 あはははは。お待ちしてます(笑)。

板橋よしえ PUNK CAKE

kinji
PUNK CAKEオーナー。大手アパレル会社で10年以上古着部門のバイイングや部門長としてMDなどの経験を経て2013年、原宿に同店をオープンする。今年オンラインショップFUNFUNLOULOWFUNもスタート。

mikki
PUNK 10代の頃からストリートスナップなどの常連で、その独自のファッションセンスと際立ったキャラクターでファンも多い。PUNK CAKEのオープニングスタッフでありショップアイコンとして活躍中。
板橋よしえ(いたばし・よしえ)
1995年、服飾系専門学校在学中に「Candy Stripper」を立ち上げる。1996年、株式会社ミニストリー設立。2017年、Candy Stripper BLACK collectionをスタート。PUFFY 大貫亜美とのブランド「ROMPUS」も不定期に活動中。2020年11月にブランド設立25周年を迎える。