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Candy Stripper デザイナー板橋よしえ連載「おしえて好きなひと」 第22回 優香(4ページ目)

「キャンディの服を見て楽しんでくれることが
私の活力や勇気になってますね」(板橋)

 
板橋よしえ 優香


板橋 17歳から仕事を初めてて、モチベーションをキープするのは大変じゃなかった?
優香 モチベーション、全然なかった時もあるよ。あはははは。お休みしたいなって思った時もあったし、仕事が楽しくないと思った時もあった。でも、私は舞台をやったときにすごい楽しくて。
板橋 あっ! 三谷幸喜さん作・演出の舞台『酒と涙とジキルとハイド』(2014初演。2018再演)! 初演も再演も観に行ったけれど、もう1度、見たいと思うくらい、めちゃめちゃおもしろかった〜!!
優香 やっぱりダイレクトに。私はスタッフさんが笑ってくださることが嬉しくてコントが好きになったんだけど、舞台だと目の前にいるお客さんが反応してくれる、それが本当に楽しくて。そんな経験はそれまでなかったから。お客さんが笑ってくれる、その幸福感というか。やっぱり、人が喜んでくれる姿を見ることは……ずっとそれが幸せだなと思ってやってきたけど、だんだん見えなくなってきて。誰のためにやってるのかわからなくなるんだよね。会社のため? マネージャーさんのため? 自分のため? よくわからなくなっていたのが、目の前の人が楽しんでくれてるのを見て、自分もすごく満足感があった。この相乗効果は、よしえちゃんのお店、あっこちゃんのライブもそうじゃない。やっぱり、初めて友達たちの喜びがわかったというか。よしえちゃんだって、街を歩いてて、自分の服をきてる人を見かけたらすごい嬉しいじゃない?
板橋 すごく嬉しいよ。初めて見た時のことはずっと覚えてるし。最初のシーズンにチェリー柄のフレアパンツを作ったんだけど、美容師さんみたいな雰囲気の、ショートカットの女性がすごくかわいく履いてくれてて。自転車に乗って、サーって目の前を通り過ぎるのを見て、あー!! って。
優香 やっぱり、忘れられないよね。嬉しいよね。
板橋 すごいびっくりして。やっぱり、喜ぶ顔が見たいよね。
優香 お店に来てる子達は、よしえちゃんのお洋服が好きで、ワクワクしてくるわけだもんね。
板橋 本当に、お客さんの存在に日々励まされてる。もちろん、優香ちゃんにも! 大人になって着る洋服が変化しても、キャンディの服を見に来てくれたりして、嬉しいよー。
優香 今もパーカーとかワンピースとか着てるよ。私はよしえちゃんみたいに妖精じゃないから(笑)、選ぶものは変わってきたけど、よしえちゃんは元々のファンも裏切らずに、ちゃんと大人にも向けて作ってるのがすごいよね。
板橋 自分もどんどん大人になっているからね。通常のキャンディも作りながら、大人も着れる新たなキャンディのお洋服作りも挑戦してる!
優香 楽しみだよ。キャンディのお店に入るとき、すごいワクワクするもん。

板橋よしえ 優香


板橋 (浜口)京子ちゃんと一緒にお買い物に来てくれて、お揃いのものを買ってたよね! ふたりが意外なものを「これ可愛い!」って選んでくれたりしてて。そうやって友達が楽しんでくれてることは、自分の勇気や活力になったりしてますね。
——では、最後にお互いの未来に向けて、エールをお願いします。
板橋 優香ちゃんには、今は子育てを大事にして欲しいから、なかなかお仕事いろいろするのは難しいと思うけれど、身近な友達だけじゃなくて、世のみんなが、優香ちゃんの笑顔を見るだけでほっこり幸せな気持ちになるから、その姿をちょっとだけでも見せ続けてくれたら嬉しいです。
優香 そうだよね。この子の人格が3歳までで成り立つと思うと、寂しい思いをさせたくないとも思っちゃうけど、自分を奮い立たせて、いろんな人に刺激をもらわないとなって思ってます。よしえちゃんには……これ以上、がんばらないでって感じだよね。
板橋 あはははは。じゃあ、たまに会って、癒してもらってもいいですか。
優香 うん、無理しないで欲しい。ほんとにね、あそこの場所でずっと頑張ってきてすごいなって思う。いつまでもいつまでもなくならないで欲しいな。
板橋 がんばるね。ありがとう。

優香(ゆうか)
1980年6月27日生まれ、女優。東京都出身。高校生の時に池袋でスカウトされ、17歳でデビュー。以後テレビ、舞台、CM、雑誌などで多岐に亘って活躍中。
板橋よしえ(いたばし・よしえ)
1995年、服飾系専門学校在学中に「Candy Stripper」を立ち上げる。1996年、株式会社ミニストリー設立。2017年、Candy Stripper BLACK collectionをスタート。PUFFY 大貫亜美とのブランド「ROMPUS」も不定期に活動中。2020年11月にブランド設立25周年を迎えた。