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Candy Stripper デザイナー 板橋よしえのおしえて好きなひと 第23回 鈴木えみ

「服を作って着てもらうだけじゃない。
  日々の楽しみを与えてくれるブランドになってる」(板橋)

板橋よしえ 鈴木えみ

ブランドを立ち上げるという話を聞いた時は、よしえさんはどう思いましたか? 板橋すごくいいと思いました。えみちゃんの中からどんなものが出てくるのか。全く想像ができなかったけど、デイリーユースとアートを感じる洋服のアンバランスさが面白くて。しかも、年々、クリエイティブのバリエーションが増えて、クオリティーも上がってて。とにかく素材を見る目がすごい! って思って楽しんでます。
鈴木私、デザインを始めてから、もうちょっと偏った人間になりたかったなって痛感してます。よく、「器用すぎて、なんでもできちゃうから」って言われるんですよ。その器用さは、洋服のデザイナーとしてはいらなかったりするから。なんで私はこんなにマルチな人間なんだ! って(笑)。
板橋あははははは。
鈴木自分を褒めつつね。なんで、もうちょっと変人に生まれてこなかったのかって思うことはあります。
板橋ほんとにマルチだよね。できないことってあるの?
鈴木運動! 思うように体が動かないですね(笑)。
板橋あはははは。でも、デザインのレベルはどんどん上がっていってるよね。しかも、どのブランドにも似ていない、独自のスタイルをちゃんと築き上げていってて。服を作って、着てもらうだけじゃない。着ることによって、何かを考えたり、何か感じるというか。日々の楽しみを与えてくれるんだよね。
鈴木そうだといいな〜。
板橋美や食、アートを体験できたりする。季節ごとに服以外にもいろんなことを提案していて。それを全部ひっくるめて、1つのプロジェクトになってるのがすごく面白いなって。誰でもできることじゃないと思うし。
鈴木ありがとうございます。もともと私は多趣味で、いろんなことに興味があるんですよね。まだまだ自分も知らないことっていっぱいあるから、みんなと一緒に学びたいなって思ってて。
板橋シェアしようっていう気持ちが強いよね。
鈴木シェアしたいのよ! 「これ、よくない?」「これ、最高だったよ」みたいに、すぐに教えたくなっちゃう。洋服もブランドもありふれているから、改めて、自分が洋服を作って、お金をいただいて、買ってもらうことについて、結構、考えたりするんですけど、1つの体験になるといいなと思ってて。だから、いろんな活動をしておりまして。今、うちのブランドで、シーズンごとに5都市くらい回って、それぞれの地方にいるお客様に会いに行って、直接、見てもらう受注会を行ってるんですね。コロナ禍で海外に行けないっていうのもあるんですけど、日本をよく知れてる何年間が続いてて。
板橋どんなところに行ってるの?
鈴木東京、大阪、名古屋、福岡、あとは、謎に群馬。東京で長く知り合いだった友達が、群馬に移住して、群馬を盛り上げようとしてて。そういうご縁もあって、群馬出身だったっけ? っていうくらいよくしてくれて。その土地土地で、なにかがあったら助けてくれるチームが出来上がってくるから、大切にしていこうと思ってます。ブランド単独でギャラリースペースを借りて、私も全部、その場にいて接客したり、コーディネートを組んであげたりする会をやってるんです。
板橋夢のような時間だね。

板橋よしえ 鈴木えみ

2022年で5年目に入ります。 鈴木シーズンの数で言うと、次が12なんですけど、まだまだだと思っちゃった。
板橋1シーズン1シーズンで作っていってるものが濃いもんね。質感の良い素材を使っているし。
鈴木生地が好きだね。シルエットは自分の好みが大体決まってきているし、お客さんが好きな形も。定番と呼ばれるものが増えてきているから。
板橋素材の選び方がいつも面白いなと思って見てるよ。
鈴木オリジナルの生地作りは、ニットも含めて、まだまだ極めたいな。最初は「年に2回しか発表できないってなんなの? チャンスが少なくない??」と思って、1回、Pre-Fallを挟んでみたんだけど、大変すぎてすぐにやめて。
板橋そういうところも、えみちゃんぽい。チャレンジはするけど、違うと思ったらすぐにやめる。
鈴木最初は、お店の都合も全く知らなかったから。制作を始めるタイミングや型数、アイテムのバランスとか。なんでこんなに決まりきっちゃってるの? っていうところから始まって。今は、だいぶ理解できるようになってきたけど、そもそもは、いいものができたから発表するっていうのが自然な形だと思ってて。今でもなるべくそういうふうにしたいなとは思っているんだけど、とはいえ、他の仕事もしてるし、子育てもしてるから、決めてもらわないとやらないかも? っていうこともあって(笑)。無駄に型数を増やそうとは思わなくなったし、今は受注会がメインのスタイルになってきてるから、多いと迷わせちゃうことに気づいて。むしろ、コンパクトにする方向に切り替え中ですね。デザインもアシスタントがいるわけじゃなく、全部、私がやってるので。
板橋なんか、服を作るっていうよりかは、表現の1つという感じだよね。作品を発表するっていうような。
鈴木本当はいい生地が作れたら、これをどういう服にしようかなっていうことがしたいんですよね。まぁ、その辺はもうちょっとブランドが育ってからにしようかなって思ってます。

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