Candy Stripper デザイナー 板橋よしえのおしえて好きなひと 第23回 鈴木えみ
「日々のタスクが多いから落ち込んでる暇がない。
止まると死んじゃうマグロみたいな感じです」(鈴木)
板橋えみちゃんは、くよくよしたりしないよね。
鈴木たまに年に2回くらい、落ち込んだりするんですけどね。でも、長くて4時間で立ち直っちゃうかな。
板橋はっやっ!
鈴木日々、タスクが多いのよ。子供いるし、動物も三匹飼っていて。おうちのこともやらないといけないし。だから、切り替えないとやってられないし、止まってられないんですよね。止まると死んじゃうマグロみたいな感じ。
板橋あははは。そのメンタルの強さはどう培われたの?
鈴木私は14歳からモデルのお仕事をさせてもらってて。1999年にデビューして。
板橋出てきた時はびっくりしたよ。衝撃的な可愛さだったから。
鈴木デビューしてから、すぐに雑誌で連載を持たせてもらったりして。「あなたはどう思うの?」とか、「何がしたい?」っていう問いかけが常にあったから、自分のことについて考える機会やジャッジする機会、表現する機会が、普通に学生として過ごしている方と比べたらめちゃくちゃ多かった。それは、すごくラッキーな環境だったなって思う。自分の頭で考えてることと、心で感じていること、その声を聞くのも特技なんですけど。ジャッジするチャンスが多かったから鍛えられてた気はする。
板橋大変なこともあった?
鈴木うん。本当にやりたくない仕事を、社長のところに直談判しに行ったこともあったし。悔しすぎて楽屋に引きこもったこともある。あと、そんなにヒステリックではないんですけど、コーラの差し入れをしてくれたマネージャーに、「カロリーオフじゃない!」って泣きながら叫んだりとか(笑)。いろんな時代を経て、今があります。
板橋そんな時期もないと不安だよ。いきなり最初から卓越されてたら怖い。
鈴木私が10代の時はSNSもない時代だったから。今ではありえないような経験をいっぱいしてきてて。それは、乗り越えられたからこそ、いい財産になったなって思ってる。逆に、今の子供たちは、正解がありすぎて、どうチャレンジしようとも、たいして失敗ができない時代だと思ってて。どう鍛え上げたらいいのかなっていうのが最近の悩みかな。
板橋確かに。
鈴木大きな失敗がしづらくない? いろんな正解がありすぎて。
板橋そうだね。細分化されてるし。
鈴木昔は、大正解はこれ! っていう1個があって、失敗の仕方はいっぱいあった。でも、今は、多様性という言葉が都合のいい使われ方をすることもある気がしてて。その考え方はもちろんいいんだけど、逆に多様性という言葉に逃げてしまっている気もしてて。
板橋その中で個を伸ばすのは結構難しいね。
鈴木でも、失敗しないとメンタルは鍛えられないからさ。心のしなやかさはどう育てましょうかね。
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