Candy Stripper デザイナー 板橋よしえのおしえて好きなひと 第23回 鈴木えみ
「リアルな人間関係を大切にすることに尽きる。
私を受け止めてくれる場所があれば安心できるから」(鈴木)
現在はSNSとはどんな距離でいますか。
鈴木インスタを始めたのも早い方だったんですよ。当時、うちの事務所はやっちゃダメっていう方針だったんだけど、タイミングよく本を作っていたから、「本の宣伝として発信するアカウントを作らせてください」って始めさせてもらって。気づいたら、Emi Suzukiのオフィシャルになってた、みたいな(笑)。まだみんなが、SNSではなく、写真加工アプリとして使っていた頃からやっていて。でも、ユーザーが増えていくのと同じく、ルールやへんなマナーも増えて。企業の参入も始まって。私自身も#PRばかりになってしまったんですよね。自分も楽しめてないなというのもあって、「ラウタシー」のオンラインサロンを作って。本当に少人数で、クローズドの環境で、好き勝手にやれるのを1個作ったんですよ。
板橋えみちゃんがインスタのポスト上で、「私は自分の好きなものしか紹介しない。PRのものはPRって書くし、PRじゃないものはPRって書かない」ってハッキリ明言した時に、すごくえみちゃんらしくて、やっぱり好き! って思った。
鈴木みんな、もうだいぶPR慣れしたけど、PR慣れする前は〈PRばっかりだな〉みたいな声もチラホラあって。やっぱ、免疫がないから、1回言わなきゃなというので言ったね。ファッション雑誌のタイアップや広告はみんななんの抵抗もなく見るのと同じことだよ。自分がちゃんと試して、おすすめできるものしか私はお引き受けしませんよって。
板橋やっぱり信じられるって思ったの。今、SNSを見て、落ち込む人も多いじゃない? 自分と比べたり、いろんなことを言われたりして。気にしないようにするしかないけど、それでも気にしちゃう人はどうしたらいいと思う?
鈴木そもそも自分に不安要素がある人が長時間その環境に触れていると、どんどん闇に堕ちちゃう。どうしたらいいんだろうね。見ないようにするしかないかな。私もエゴサしなくなって、だいぶ落ち着きました。Twitterは公式アカウントを持ってなくて。ラーメン屋の情報とかを見るように1個あるんですけど。
板橋また、えみらしさが出た(笑)。この見た目で、ラーメンが大好きっていうギャップがたまらない。
鈴木あははは。昔は、例えば、何かのアンバサダーに就任したときとか、リサーチも含めてエゴサしてたんですけど、やっぱ100個いいことがあっても、1個の悪口があるとずっと残るから。負の力ってマジで強いなと思って。
板橋えみちゃんでもこうなんだからね。
鈴木そうなんですよ。ほんとに上手に粗探しをしてくる。だから、見るのをやめて、今はラーメンと地震情報しか見てません。
板橋オンラインサロンはやってよかった?
鈴木うん。今、制作のプロセスを公開してて。いろんな意見を早いレスポンスで聞けるし、すぐにお客様とコンタクトが取れるのは大きいかな。
板橋へえー、面白いね!
鈴木あのシーズンのあれをもう1回とか、どっちの色がいいとか。鈴木えみと「ラウタシー」のファンクラブという感じだけど、一方通行ではないコミュニティが目的で作ったから、コメントもほぼ返してて。メインはクローズドのコミュニティが作れるFacebook。インスタグラムも試験的にオンラインサロンのようなシステムを始めるみたいだから、早く実装して欲しいんだよね。
板橋えみちゃんはガジェットも詳しいんだよね。やっぱりおじさんいる(笑)。
鈴木ちっちゃいおじさんが中にいます。効率化が好きだからね。
板橋あと、返事も早い。
鈴木でも、最近、寝かすことも覚えた(笑)。こう見えて、今、のほほん期なの。
板橋めずらしいじゃん。
鈴木ずっとNetflixだけ見ていたいな、とか。今年はちょっとだらけたいなっていう目標があって。
板橋そういうペースも自分の心の声に聞いて決められるよね。直感的でありつつも、いつも自分を客観的に見れてるよね。
鈴木はい。
板橋感情的になって、仕事でバトルすることもない? 冷静に処理する?
鈴木なんか、最近、ムカつくことがあった気がするけど……忘れちゃったな。
板橋やっぱり切り替えが早いな。どうしたらえみちゃんみたいになれるかな。
鈴木やっぱり、リアルを大切にするに尽きるかなって思う。リアルに大切な人やものを本当に大事にする。何があっても、私はこれがあるから大丈夫! って思える環境や関係性を作ることかな。
板橋確かに。自分が帰る場所があるとブレなくなるよね。
鈴木別に外で何を言われようが、私を認めてくれて、受け止めてくれる場所がここにあるって安心できればへこたれないと思う。
板橋私も全く同じ。家族や友人、仲間たちね。
鈴木私はとにかく人間が大好きだから。
板橋えみちゃんのこと、本当に会うたびに好きになる。興味が尽きないよ。
鈴木やったー! 「今回、つまんないな」って言われないように頑張ります。
板橋あははは。絶対に大丈夫だよ! いつ会っても人間味に溢れてて、半端ない思いやりと母性の強さと頭の回転の速さに尽きない好奇心旺盛さ。私がひとに対して好き! と思う要素がえみちゃんには全部詰まってる。そしてそれを決してひけらかすことなく、自然に出してて。なんでもないことのように人に手を差しのべたり、助けたりが自然にできる人だから、人間として大好きで尊敬してる!
鈴木それは告白として受け取ってよろしいでしょうか。
板橋うん。今日も大好きです!
鈴木ありがとうございます(笑)。今後もよろしくお願いします。
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鈴木えみ(すずき・えみ) 1985年9月13日生まれ、京都府出身。’99年に雑誌『SEVENTEEN』の専属モデルとしてデビュー。現在もファッション、ビューティ各誌で同世代のアイコンとして人気。また、アパレルブランド「LAUTASHI(ラウタシー)」のデザイナー、様々な分野でのコラボレーションなどクリエイティブな活躍を続けている。
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板橋よしえ(いたばし・よしえ) 1995年、服飾系専門学校在学中に「Candy Stripper」を立ち上げる。1996年、株式会社ミニストリー設立。2017年、Candy Stripper BLACK collectionをスタート。PUFFY 大貫亜美とのブランド「ROMPUS」も不定期に活動中。2020年11月にブランド設立25周年を迎えた。
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