Candy Stripper デザイナー板橋よしえ連載「おしえて好きなひと」 第14回 大島美幸
「テレビで見る森三中の3人はいつも
可愛い服を着てるイメージがある」(板橋)
大島 よしえさんは専門学校に行かれたんですか?
板橋 うん。バンタンデザイン研究所に行っていたよ。
大島 ああ、そうなんですね。私もバンタンか文化かっていうのですごい迷ったんですよね。
板橋 そうだったんだ!
大島 はい。夏の説明会にもヒサエと一緒に行ったんですよ(笑)。
板橋 そこからどうして吉本に行くことになったの?(笑)
大島 そうですよね。もうここだって決めて入る気でいたんですけど、夏休み明けに友達が見せてくれた本の後ろのほうに〈吉本NSC4期生〉って書かれたのがあって。「これ行ってくれば?」って言われて。お笑いも好きだし、1年だったらいいかなって思ったんですよね。どうして自分がその言葉を受け入れたのかは不思議だけど、確かにそれがなかったら行ってなかったと思います。
板橋 そこから芸人の道に。ヒサエちゃんは?
大島 ヒサエはデザイナーの学校に行ったんです。吉本の養成所に行くんだけど行く? って誘ったんですけど、そしたら「私はデザイナーになるから」って断られました(笑)。
板橋 あははははは。
大島 バイトして、入学金のお金を貯めました。
板橋 すごい! 偉い! そこで、森三中のふたりと出会ったの?
大島 そうです。ヒサエに断られたんで1人で入学して(笑)。森三中の2人に出会うっていう。
板橋 同じクラスだったの?
大島 同じクラスですけど、前半後半にクラスが分かれてて、黒沢さんは後半組だったんですけど、同じ路線で帰ってたんですね。帰りの電車が一緒だったんで。で、仲良くなったんですよね。
板橋 どのタイミングで一緒にやろうってなったの?
大島 私が1人でやってて、2人は黒沢村上っていうユニットをやってたんですよ。で、どんどんやってくうちに1人って難しいんだなって思って。これは2人に入らせてもらおうかなって思って。2人のユニットはすごいシュールだったんですけど、面白かったんです。で、私がお菓子とかあげてたんですよね。
板橋 餌付けだ(笑)。
大島 餌付けです。いけるかなって思って言ったら、「ちょっと考えさせて」って言われて(笑)。でも、その後、いいよってことになって入らせてもらったっていう経緯があるんです。
板橋 凄い! 運命的な出会いだね!
大島 そうなんです。でも、私がやっぱり奇抜な格好してたんで、奇抜すぎるっていうのが考えさせてっていうのに入ってたみたい。私も東京に行って芸人をやるんだったらナメられちゃいけないって思って、もっと奇抜にしてたんですよ。
板橋 あはは! 美幸ちゃんの奇抜具合、気になる! どんな格好してたの?
大島 まず、頭が半分ピンク、半分赤っていうカラーで、チョンマゲにして、セーラームーンの首だけつけて歩いてたり。
板橋 あはははは!!!
大島 洋服はもちろん、Candy Stripperを着てたり、自分で作ったりもしてて。
板橋 美幸ちゃん、作るの好きだもんね。
大島 で、ちゃんちゃんことかを着たりしてました。
板橋 ちゃんちゃんこ!? 衝撃的だね。
大島 衝撃的ですよね。だから、そんなやつ入れたくないっていうのはすごくよくわかります。でも、村上に「しゃべったらけっこう普通の常識人だった」って言われて(笑)。よかったと思って。
板橋 やばい人なのかなって思っちゃうもんね。
大島 そう思っちゃうじゃないですか。でも、意外に普通だったって言われて。それが救いだったっていう(笑)。
——森三中になってからファッションは変わりましたか?
板橋 3人組だから3人並んだ時のバランスもあるだろうしね。
大島 ありますよね。でも、あんまり考えずにやってたんですけど、途中で私が坊主にしたいって思って。別に仕事もないから、2人もすればいいじゃんって言ってくれて。赤坂見附の1000円カットの店で坊主にしてきたんですよ。そしたら、おしゃれにしたかったのにただの坊主になって。おじさんみたいになっちゃって(笑)。そこから。奇抜な洋服が着れなくなっちゃったんですよ、似合わないから。
板橋 ああ〜。
大島 一応、ウィッグも買ったんですけど、被るのが面倒くさくなって。坊主で、〈かき氷〉って書いてあるTシャツを着て、ジーパンを履くようになって(笑)。
板橋 あはははは! 美幸ちゃん! 凄いね、なかなかキテるね(笑)。
大島 それもまた、別の意味でやばい人にはなってたんですけど、そこからピンクとか着れなくなっちゃって。でも、髪を伸ばしてからはちょっと落ち着きましたね。いいのか悪いのか。
板橋 あ〜、美幸ちゃん、面白すぎる(笑)。
——テレビで拝見する大島さんはいつもかわいい格好してるイメージです。
大島 今は渡辺直美ちゃんとかが先陣きって、髪の色とかいろいろやってますけど、やっぱりうちらがデビューした頃の女芸人っていうのは、そこ直結できない感じはあったんですよね。言い方が難しいですけど、男と張り合うには、女を捨てるしかなかったんですよね。だから、直美ちゃんみたいにエクステをつけたりすることができなかったんです。でも、直美ちゃんが出てくる前から、可愛い服を着たいって思ってたんですよ。だから、スタイリストさんにはいつも「おしゃれな服を着たい」っていうお願いはしてました。
板橋 うん。いつもかわいい服を着てるイメージがある。
大島 ありがとうございます。森三中3人ともかわいい服が好きなんですよ。昔よりは歳とって、40近いので落ち着いたんですけど、今だにシマシマとかドットは着てます。
板橋 ずっとお店にお買い物に来てくれていて、ほんとにうれしい。