「妊活中に芸人という仕事を見つめ直しました。
いい仕事だなって改めて思いますね」（大島）

——森三中は一度も解散危機はなかったですか?
大島　若いときのケンカはありますけど、森三中辞めよう! みたいなことはなかったですね。 ——21年間も続いてるのはどんな理由があると思いますか。
大島　んー、何でしょう。でも、辞める勇気はないです。辞めて他の職業もできるってみんな言うんです。黒沢さんも、何でもできるよ、働けるって。私も自信あるんですよ。全然働ける、何でもできるって思ってるんですけど、やっぱり芸人って面白いんですよね。しかも、視聴者の皆さんとか、劇場に来てくださってるお客さんが笑ってくれてるって思ったら、めちゃくちゃうれしいですし、すごくいい職業だなって。1回、妊活のために1年くらい休んだ時に、テレビを見てて、やっぱりすごくいい職業だなってあらためて思って。「落ち込んでる時に唯一笑えました」っていうお手紙をいただいたりした時に、うれしいなとは思ってたんですけど、よくわからなかったんです。でも、自分が妊活で「ああ、またダメだった」って落ち込んでる時にテレビを見て笑わせてもらって、「ああ、これか!」ってわかって。それで、出産後に仕事に戻ったら、また一生懸命やろうって思いました。すごい勉強になりました。
板橋　大事な時間だったんだね。
大島　はい、大事でした。芸人っていう仕事を見つめなおすいい機会でした。笑ってくれることを1番に考えよう、自分の意見を言いたいとか、そういうのはやめようって思いました。 ——今後の森三中はどうなっていきますか?
大島　今、私の息子が4歳で、村上の娘が6歳になって。子育て真っ最中……まあずっと子育てだとは思ってるんですけど（笑）、やっぱりなかなか落ちつかないというか。お迎えの時間もあったり。
板橋　小学校に入ったらもっと大変になるって聞くよね。保育園と違って帰宅時間が早かったり、夏休みが長かったり。
大島　お弁当を考えたりとか。子育てはいつ落ち着くのかな、コントもやりたいな、なんて思ってるんですけど、なかなか難しくて。でも、3人でしゃべってる時に、「いいんじゃない、今は」って黒沢さんが言ってくれて。もうババアだけど、もっと歳とってからやったほうが面白いんじゃない?みたいなことを言ってくれて。だからそこはお言葉に甘えさせてもらってます。 ——では、最後に長年のCandy Stripperのファンである大島さんがブランドの今後に期待することを聞かせてください。
大島　ええ〜! あの、展覧会とかやらないんですか。次25周年だし、30周年の時とかでも、今までのCandy Stripperの軌跡をたどるみたいなやつを見てみたいです。この前私、ちびまる子ちゃん展に行ってきたんですよ。昔からの映像が流れてたり、先生が書いた台本が展示してあったりして。Candy Stripperもこういうのをやったらすごくいいんじゃないかなって思って。
板橋　ほんとに? 求められてると思う?
大島　いや、行きますよ! 見たいですよ! ファンはたくさんいますから。デッサンとか原画とかも見たいし、今は見れない昔の雑誌も見たいなって思いました。そういうのやっていただけたら、行く人めちゃくちゃいっぱいいると思います。
板橋　じゃあちょっと、いつかできるように頑張ろうかな。
大島　30周年とかね、いいタイミングでお願いします。私みたいに高校生の時からずっと一緒に歩んできた人はCandy Stripperの歴史も見たいと思う。
板橋　24年続けてきて、いろんな変化を経てきている中、美幸ちゃんみたいに初期からずっと好きでいてくれる人がいてくれるのは、本当に心強いよ。どうもありがとう。
大島　昔の洋服を見ると、「ああ〜、この時こうだった!」とか、思い出すんですよ。なので、ファンとしてはぜひやってほしいです。
板橋　頑張ります! そして、美幸ちゃんには、これからも楽しい笑いを楽しみにしております!
大島　ありがとうございます。私の方こそ、洋服もずっと楽しみにしています。……あ! 新作を取りに今週中に行きますね。もう予約してあるので（笑）。

大島美幸（おおしま・みゆき）
1980年生まれ、栃木県出身。1998年にNSC東京校へ入学、黒沢かずこ、村上知子とお笑いトリオ「森三中」を結成。2002年に放送作家の鈴木おさむと結婚し、2015年に長男を出産。現在子育てをしながらバラエティ番組やドラマにて活躍中。 板橋よしえ（いたばし・よしえ）
1995年、服飾系専門学校在学中に「Candy Stripper」を立ち上げる。1996年、株式会社ミニストリー設立。2017年、Candy Stripper BLACK Collectionをスタート。PUFFY 大貫亜美とのブランド「ROMPUS」も不定期に活動中。