Candy Stripper デザイナー板橋よしえ連載「おしえて好きなひと」 第18回 セントチヒロ・チッチ
デザイナー板橋よしえが大切な友人や一度会って見たかった人々と、様々なことを本音で語り合う対談連載。第18回目のゲストは、“楽器を持たないパンクバンド”BiSHのセントチヒロ・チッチさん。
グループ活動のほか、2018年9月には彼女が「私のスーパーヒーロー」と語るGOING STEADY/銀杏BOYZ「夜王子と月の姫」のカバーでソロデビュー。
自身がキュレーションするイベント「THAT is YOUTH!!! FES」にeastern youth、
GEZAN、リーガルリリーを迎え開催。
カルチャーシーンにおいて異彩を放ちながらも高い発信力を持っているチッチさんと板橋の関係とは。
「BiSHのライブに度肝を抜かれ、鷲掴みにされた。
チッチちゃんの魔法にかかりました」(板橋)
——前回のemmaさんとの対談でBiSHのライブに行ったお話が出たんですよ。
チッチ 読みました! 嬉しかったですね。
板橋 めっちゃカッコ良かった!!! 初めてライブを観た時、頭がパカーンってなって。度肝を抜かれたんだよね。今までいろいろなライブを観てるけれど、今まで体験したことのない世界を見せてもらって、心を鷲掴みにされたの。BiSHのライブは、また絶対に見たいと思わせる中毒性があるし、魔法にかかりました。
チッチ ふふふ。魔法をかけました。
板橋 (笑)最初に会ったのは、展示会にきてくれた時だよね。
チッチ そうです。誘っていただいて。
板橋 BiSHが好きで、一方的に音楽を聴いていたから、チッチちゃんに会いたいなってずっと思ってたの。でも、清掃員(ファン)の方々がとても熱狂的というか、すごく熱意のある方が集まっているので、簡単に「好き」って言っちゃいけないなって思っていて。ライブもなかなか観に行くことが出来ないから、音源を聴いたり、ラジオを聴いたりしてたんだけど、チッチちゃんにお誘いしてもらって、ライブを観させてもらって。楽曲の素晴らしさはもちろん、唯一無二のライブパフォーマンスや圧倒的な世界観に衝撃を受けたよ。表現してる時と、普段のチッチちゃんは全然違うよね。会うと本当に可愛くて、守ってあげたい感じなのに、ステージに立ったら、力強く眩い光を放ってて。すごく小さいのに、全然小さく見えない。存在感が大きくて、誰よりも目で追っちゃうんだよね。チッチちゃんならではの透明感のある伸びやかな歌声は、儚くてせつなくて、心が動かされる……!
チッチ 嬉しい。よしえさんは、展示会で初めて会った時から不思議なオーラというか、オレンジ色のオーラが出てそうな感じがして……。
板橋 え? 見えるの!?
チッチ (笑)いや、感覚的にそういうイメージ。私にとってはスピリチュアルな存在です。
板橋 あははははは。
チッチ そのあと、よしえさんがご飯に誘ってくれたんですよ。それも、単純に嬉しいと思って。私は人見知りするし、自分から好きな相手にガツガツいけないタイプなので、相手から会いたいって言ってくれたり、関係を築こうとしてくれる人とは仲良くなれるんです。きっと仲良くなれるなと思って、すごく嬉しかったです。あと、よしえさんは人と人とのつながりというか、相手のことをちゃんとしっかり見る人だなっていうイメージがあって。知らないながらにも、SNSを通して感じていたので仲良くなりたいって思ってました。
板橋 嬉しいー。勇気を出して言ってみて良かった。チッチちゃんがわたしのことをどう思っているかわからなかったし、あまりいろんな人とご飯に行っているイメージもなかったから、お誘いしても、断られちゃうかな…と思いながらドキドキしていたのだけど、そういうふうにチッチちゃんが思っていてくれたなんて、嬉しいー。あのとき、初めてとは思えないくらいいっぱいしゃべったよね?
チッチ すごく喋りましたね。マシンガントークでした(笑)。自然と波長が合ったというか。これ言っちゃダメかな? とか考えていたら疲れちゃうじゃないですか。そういったことが全くなくて。ダメなこともいいことも感覚が似てた気がして、いっぱい喋れました。
板橋 チッチちゃんは人の心の痛みがちゃんとわかる人。心の機微を感じ取る感覚を持っているなあって。変化を恐れないところだったり、根性と好奇心と行動力を大事にしているところとか、通じ合えるところが多い気がする。
チッチ よしえさんは不思議な、大きな手でおいでって言ってくれてるような存在ですね。自分にあったことをなんでも話せちゃう。いつもはそんなに人に話さないんですけど、話したくなるような存在ですね。業種は違えど、すごく尊敬しているので、好きです!
板橋 いやいや、嬉しいな(照笑)。