SEARCH

Candy Stripper デザイナー板橋よしえ連載「おしえて好きなひと」 第18回 セントチヒロ・チッチ(4ページ目)

「チッチちゃんにいつかモデルをお願いしたい。
いろんな服を着て欲しい。それが今の夢ですね」(板橋)

 
板橋よしえ チッチ

——音楽とファッションの関係性のお話もお伺いできますか。
板橋 BiSHのアートワークは毎回、コンセプトや世界観がしっかり考え抜かれていてすごいよね。
チッチ BiSHにとって衣装はすごく大事で。着るものによって本人たちのモチベーションも全然違うし、どんな世界に入り込めるのかも変わってくるんですね。だから、ツアーが変わるたび、新曲を出すたびに衣装が変わるんですけど、本当に衣装さんってすごいなって毎回、思ってて。なんというか……自信を与えてくれるんですよね。今、このお洋服を着てるから強くなれるっていうスイッチが勝手に入る。だから、衣装はBiSHにとって戦闘服って感じですね。
板橋 チッチちゃんの私服はメンズライクだよね。
チッチ そうですね。ストリートっぽいものも好きだし、最近はそこに男気が出ちゃってます(笑)。これを着てると、今、強気なカッコいい自分でいられるなって。今日みたいなお洋服を着てたら、可愛い女の子みたいな気持ちでいられるし、お洋服によって気分が変わるので、すごいなって思ってて。このお洋服を着てる時は、この音楽を聴きたいなっていうことも私は連想するので、お洋服と音楽のつながりはすごくあるなと思ってて。

板橋よしえ チッチ


板橋 いつもカルチャーを感じさせるお洋服を着ているイメージがあるな。チッチちゃん自体もカルチャーを発信してるでしょ。自主企画もして、ブッキングも自分でして。BiSHだけでもかなり忙しいのに、そんな活動もしててすごいなって思う。
チッチ 好きなものを、好きなままでとどめるのはもったいないなって思ってて。よくも悪くも、BiSHという場所でセントチヒロ・チッチとして生きていて、私が好きなものを知らない人たちに知ってもらいたいっていう気持ちがあるんですよ。お洋服も音楽も、この世界にはこんなに素敵なものがあるんですよって思うから、出会って欲しいっていう気持ちがすごくある。あとは、まだ知らない自分にいっぱい出会いたいから、なんでも、飛び込んでみるようにしてますね。
——最後にお互いの今後に求めるものをお伺いできますか。例えば、キャンディでこんな服を作って欲しいとか。
チッチ 私は、よしえさんが作りたいと思った服を作るのがキャンディストリッパーだと思ってて。その中で自分が出会うのが私の楽しみなので。「こういうデザインがいい」って言うのは、なんか違うかなって思いますね。でも、原宿にくる女の子たちにとって、いつも味方でいてくれるブランドだと思うので、ずっと女の子の味方の存在でいて欲しいと思うし、よしえさんはきっとそういう存在でずっといてくれると思うので、大好きです! という気持ちでいます。

板橋よしえ チッチ


板橋 うーー! 可愛い! 嬉しい!! チッチちゃんは歌唱力と表現力が抜群なので、いつかソロアルバムとか、ソロツアーを見てみたいな。
チッチ ありがとうございます。今は世界がこういう状況になってしまったので、BiSHというものをもっと必死に伝えなきゃって思うことがたくさんあって。BiSHのことで頭がいっぱいなので、自分の音楽活動は頭からポーンと抜けちゃってるんですけど、落ち着いたらまた始めて、自分の好きなこと、やりたいことを突き詰めたいなと思ってます。あとは、よしえさんプレゼンツのキャンディストリッパーFES.もいいな。よしえさんが築いてきた仲良しの人が出るフェスとかイベントがあったら楽しそうですね。ハッピーな感じのフェスが出来そう。
板橋 やりたいなあ。ジャンルがバラバラな人が集まりそうだけど。
チッチ それがいいんですよ。
板橋 じゃあ、実現出来たら、チッチちゃんにもお声掛けさせてもらうね(笑)。私、チッチちゃんにいつかモデルもお願いしたいんです。いろんな服を着てもらいたい。それが今の夢です。
チッチ やりたいです!

板橋よしえ チッチ

セントチヒロ・チッチ(せんとちひろ・ちっち)
“楽器を持たないパンクバンド”BiSHのメンバー。人間味と感情を全面に出すBiSHの支柱。収益全額を全国のライブハウスに寄付する初のベストアルバム「FOR LiVE -BiSH BEST-」が発売中。7月22日にはメジャー3.5thアルバム「LETTERS」を発売。
板橋よしえ(いたばし・よしえ)
1995年、服飾系専門学校在学中に「Candy Stripper」を立ち上げる。1996年、株式会社ミニストリー設立。2017年、Candy Stripper BLACK collectionをスタート。PUFFY 大貫亜美とのブランド「ROMPUS」も不定期に活動中。2020年11月にブランド設立25周年を迎える。