「私は天才にはなれないから努力をする道を選んだ。
みんなが自由に生きることを優先しています」（チッチ）

——チッチさんは今、6人組のグループに在籍してますが、人間関係はどう考えてますか。
チッチ　BiSHは6人とも個性的で、生き方もバラバラで。だから、もちろん理解できない部分もあるんですけど、そこが自分のストレスになってしまうと、私もやっていけないので、理解しきれないところも、その人なんだって思うようになりました。
板橋　うんうん、わたしもそう思って日々スタッフたちに接している。
チッチ　そういう人だと思って受け入れる。理解できないから嫌いではなく、まず、受け入れる態勢になってみるってことをBiSHの中で学んで。干渉しすぎないし、生きたいように生きてみればいいと思うし。その中できっと、一人一人の才能が芽生えたりとか、新しい自分を見つけられたりすると思うんですね。だから、まず、みんなが自由に生きることを優先していて。私は、その中でも一番普通だと思ってるんですよ。
板橋　えっ! 意外!!
チッチ　一番普通だし、才能っていうものを自分の中で見つけたことがなくて。私は才能がないってわかったから、天才になれないから努力をするっていう道を選んだんですね。早いうちに才能がないって気づけたことは自分で良かったなって思います。もともと持ったいいものは私にはないから。
板橋　いやいや、生まれ持ったものがあるよ。ヴォーカリストとして際立ってるし、チッチちゃんには、群を抜いた才能がある!

チッチ　ありがとうございます。予想外に褒められて嬉しい。そうやって思ってくれる人がいるだけで自分の活力になります。でも、やっぱり人目を引くものって、グループの中で強く見えるじゃないですか。その中で、どんだけ自分がどしっといられるかっていうことを、自分の中で重きを置いていて。自分が木の幹になって、みんなが枝になって。みんなが綺麗な花を咲かせてくれたらいいし、いっぱい葉をつけてくれたらいいし。お父さんみたいな気持ちでいますね。
板橋　そうな風にみんなに対して思えるチッチちゃんは素敵だね。チッチちゃんは俯瞰的にグループを見ているし、やはりリーダーの素質があるよね。
チッチ　あと、大人になった今、私はすごく人が好きなんですね。人との関係とか、人と人とのつながりとか、自分たちが積み重ねてきたものを一番大事に考えるようにしてます。
板橋　……もう、チッチちゃん、なんていい子なの! わたしも人が大好き。自分ひとりでは生きられないから、本当にまわりの人たちに支えられて自分が存在出来ているなあと日々感謝の気持ちだよ。
チッチ　（笑）生きてきて学んだことですかね。

板橋　キャンディもいろんなスタッフがいて。最初はみんなを一定の方向に伸ばそうとして、出来ないことを出来るようにしようとしてたんだけど、一人一人の個性を生かして、得意なことを伸ばそうっていう考え方に変えたら、出来ることが増えたことで自信がついて、今まで不得意としていたこともどんどん出来るようになっていって。そういう風に個々がどんどん伸びるようになっていったから、みんなを同じ考え方じゃなくて、一人一人違うやり方で育てる、それぞれの個性を生かすっていうのはすごい大事だなってことを数年かかって学んだのに、チッチちゃんはもうこの年齢で習得している!
チッチ　ふふふ。すごく個性が強いグループなので、その中でまとめようとすると、自然と気付いたんですね。